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2021年2月27日は土曜日になります。
知ってのとおり、土曜日、日曜日は金融機関の休業日になります。
いつもの引落日が土日にあたれば、金融機関の翌営業日となる月曜日が引落日になります。

中小企業が加入する経営セーフティ共済の掛金は27日になっています。
ところが、2021年2月27日は土曜日ですから、支払日は月曜日である3月1日になってしまいます。

本来2月分の経費になるはずが、2月分の経費として認められない?

2月決算法人にとっては、気になるところです。
(2月決算法人以外の法人にとっては、どうでもいいことですが・・・)
今回は、セーフティ共済の掛金の支払時期について書きます。

セーフティ共済とは

セーフティ共済の概要

経営セーフティ共済は、国が100%出資している独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営しています。
小規模の法人、個人事業者の連鎖倒産を防ぐための制度です。
契約者から預かった掛金を運用し、その運用による利益をすべて経営者に還元する仕組みになっています。
運営経費は国が負担していますので、利益をすべて還元可能にしています。

セーフティ共済の税務の取扱い

経営セーフティ共済の掛金は、全額法人の経費になります。
共済掛金は、毎月払のほか1年分前納することができます。
1年分前納することで、法人の経費を増やし、結果的に利益を少なくし、法人税の税負担を抑えられます。
なにしろ、その期で最大240万円の法人所得を一気に減らせる節税アイテムです。
ですから、決算期末が近づくと駆け込みで加入する事業者が多いのです。

セーフティ共済の引落日

経営セーフティ共済の掛金(前納掛金を含む)は、毎月27日が引落日になります。

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セーフティ共済の掛金引落し日で問題が?

2月27日が土曜日だと引落が3月1日になるケース

土曜日、日曜日は金融機関の休業日になります。
引落日が金融機関の休業日だと、セーフティ共済の掛金は翌営業日に引落が実行されます。
つまり、2月27日が土曜日だと3月1日の月曜日に経営セーフティ共済の掛金が引き落とされることになります。

すると、2月決算法人の場合、事業年度内に本来2月中に損金算入されるはずだった経営セーフティ共済の掛金が事業年度内に損金算入できないのではないか?と疑問をもつ者もいるのではないでしょうか。

問題の所在となっている通達

租税特別措置法関係通達66の11-2(負担金の損金算入時期)
措置法第66条の11に規定する負担金の損金算入の時期は、
法人が当該負担金を現実に支払った日(カッコ書省略)を含む事業年度となることに留意する。

なるほど、「現実に支払った日」とありますので、文言どおりに捉えると、損金算入はできそうにありません。

でも、それだと2月決算法人だけが税務メリットを損なわれてしまい、不公平になってしまいます。
暦が2月だけ短くて、2月決算法人以外の法人では、問題が生じないのですから。

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実際の運用

平成31年4月27日のケース

平成31年(2019年)4月27日は土曜日でしたが、この時は元号が平成から令和に移行するタイミングでした。
皇位継承に伴い金融機関が10連休となりました。
次の金融機関の営業日は5月7日(火)だったのです。

このときは、中小機構の方で税務当局に確認をとり、以下の要旨でアナウンスされました。

4月決算の法人が、毎月口座振替している掛金については、適正な期間損益計算の観点から、会計上未払計上しているのであれば、税務上も損金算入が認められる。

未払計上する

税務通信3639号によると、2021年の2月27日のケースにおいても、未払計上することによって2月決算の損金算入を認める方向で検討されている、とのこと。

したがって、以下のように仕訳をきれば、損金算入可能になるものと理解して問題なさそうです。

2/27(借方)保険料 〇〇〇円 (貸方)未払金 〇〇〇円
※注 保険料は一例、個々の法人によって使用されている勘定科目は違います

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つぶやき

つぶやき(2021年2月20日)

なぜか、27日引落のものって多いですよね。

個人的には、通達どおり処理するべきか、例外として未払計上が認められるか、税務当局の見解がどうであれ、思いきって未払計上を選びたいです。
所詮は通達であって、法律ではありませんから従う義務はありませんし、通達の不備にすぎないのですから。

続報(2021年2月23日追記)

税務通信3643号(2021年2月22日)において、「国税庁によれば、決算日をまたぐ場合においても未払計上することで損金算入を認めるとのこと」と続報がありました。