2019年6月3日、拙著の3刷版が出版社から届いた。
出版契約により増刷する毎に無料で2冊が著者に配られる。
なぜ、2冊かというと、1冊は保存用、もう1冊は増刷の前に直し用のゲラとして使うためである。
さて、増刷イコール重版である。
重版と言えば、新聞紙の出版広告に「重版出来」のフレーズを見かける。
恥ずかしながら、私は「重版出来」の読み方が分からなくて調べてみた。
正確には「じゅうはんしゅったい」と読むようである。
会話で「じゅうはんしゅったい」と聞いても、普段使わない言葉なので、頭の中は疑問符だらけで内容の理解が追い付かない。
音声を聞いて漢字がイメージできないと、頭が混乱することはありませんか?
私の場合、一度混乱するとその後の会話が全く頭に入ってこない(笑)
そういうわけで、私はクライアントに「連絡は電話ではなく、メールで」とお願いしている。
とくに税金の話では、似た用語があったりして、正確に区別して税務用語を使いこなせるクライアントはまずいない。
ましてや、クライアントは税務の用語そのものを知らないことがほとんどなので、クライアントの説明を聞いてもなかなか理解が追い付かないことが多い。
電話だと途中で会話の節々が頭から消失していくため全体像をつかむことも怪しくなる。
一方で、メールであれば、文全体からクライアントは何を問題にしているのか、じっくり想像することが可能になる。
だから、クライアントには面倒であっても、私への連絡はメールでお願いしている。
話がそれたが、「重版出来」を出版関係者の間では「じゅうはんでき」とあえて(?)読むようだ。
重版について、個人的な感想を言えば、もちろん嬉しい。
著書の性質を考えても、そんなに売れるとは思えなかったからである。
おそらく、FX投資家の100人に1人が書店で本書を手にとってくれるか、というところだと思う。
仮に実際手にとってくれた方の購入確率が50%だとすると、200人に1人の確率である。
某出版社では、その確率を持ち出され、「FX投資家の人口は何人いるんだ?(日本では60万人くらい?)売れるわけないだろ」と酷評された。
その出版社からの出版の話は流れたという苦い思い出がある。
問題は、拙書は書店での流通が少ないことである。
見込読者が書店で拙書を手にとる機会が圧倒的に少ない。
実際、拙書はアマゾンでのみ売れていると思われる。
最初の重版(2刷)も初版から1年以上たってからのことである。
さらに2刷から1年以上をかけて2度目の重版(3刷)までこぎつけることができた。
拙書はアマゾンでは中身をチラ見することもできないなか、なかなか健闘していると言えるのではないだろうか。