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私事ですが、無事3月15日までに令和3年分の確定申告の仕事を終了することができました。

直近過去2年は、新型コロナウイルスの影響により確定申告期限が4月15日迄でした。
ところが、過去2年と違って感染の第六波の到来が明らかとなった1月下旬になっても、国税庁は本年は意地でも延長は認めないといった雰囲気を感じました。

最終的には、納税者や税理士(事務所職員を含む)がコロナ感染、自宅待機などを余儀なくされた等の理由があれば、個別延長が認められることになりました。

また、通常の申告期限である前日14日、当日3月15日には、e-taxの大規模な接続障害により期限内に申告できなかったケースも発生してしまいました。
こちらも、個別延長にて対応することになりました。

今年は、別々の理由により個別延長が認められるケースが出現した珍しい年になり、記憶に残りそうです。

そんなこんなのなか、令和3年分の確定申告時期を通して感じたことを少しずつブログにアップしていきたいと思います。

今回は、暗号資産取引について思ったことです。

事業収入の区分欄の創設

暗号資産の話の前に少しイントロダクションにお付き合い下さい。

確定申告書の様式は、毎年マイナーチェンジを繰り返しています。
そんななか令和3年分の様式変更で目立ったのは、確定申告書第一表の収入金額欄に区分が設けられたことです。

具体的には、事業収入の区分欄1と不動産収入の区分欄2です。
これらの欄に、記帳・帳簿保存の程度を示すことになりました。

以下のように、記帳・帳簿保存の程度に応じて番号1~5のいずれかを記載します。
1が最も厳密な記帳方法で、数が増えるにつれ記帳ルールが緩くなり、5が最も記帳の信頼性に乏しいわけです。

優良な電子帳簿は、「1」
一般の電子帳簿は、「2」
紙の帳簿(複式簿記)は、「3」
紙の帳簿(複式簿記以外)は、「4」
記帳していないは、「5」

税理士関与の確定申告書には、2が記載されているケースがほとんどかと思います。

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雑収入「その他」欄の区分欄の新設

確定申告書第一表の収入金額等の雑収入は3つに分かれています。
公的年金等、業務、その他の3つです。
そのうち、「業務」と「その他」の横に区分欄が設けられました。

以下のように「その他」の区分には、1~3を記載、または空欄のままにします。

個人年金保険に係る収入がある場合は、「1」
暗号資産取引に係る収入がある場合は、「2」
個人年金保険に係る収入と暗号資産取引に係る収入の両方がある場合は、「3」

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今後ますます納税者の情報のデータ化が進む

雑所得にはいろいろなものが想定されるのですが、とりわけ暗号資産取引がある場合は、番号が付されることになったのです。
それだけ暗号資産取引については、国税庁が特に注視していることがわかると思います。

番号を付すことによって、暗号資産からの所得の有無を把握しやすくなります。

つまり、暗号資産取引を行っている納税者の情報をデータ化しようとしているのです。
国税は目印となる番号を付して、全国の納税者情報をオンラインで集約・管理するKSKシステム(国税総合管理システム)にデータを取り込みます。

筆者には、確定申告書の特定の箇所にある「2(3)」という番号がまるで家畜を管理するかのような焼印のように思えます。

焼印と言えば、カイジ(著者福本伸行)の一場面。

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