2022年7月も折り返しが過ぎた頃、立て続けに持続化給付金詐欺で税理士が逮捕されたと報道がありました。
残念ながら、まだまだ持続化給付金の詐欺に関わった税理士の逮捕報道はでてくるかと思います。
持続化給付金の詐欺からの税理士の懲戒事案は、まだ聞いたことがありません。
国税は税理士の監督責任があると言いながらも、詐欺は己の役所のフィールドではないということでしょう。
倫理的に問題がありそうな税理士の素地を感知できる下地は一応あります。
今回のブログでは、そのことを最後に記します。
♦目次♦
持続化給付金詐欺で100万円騙し取った東京都の39歳税理士の男を逮捕(2022/7/21)
事件の概要
逮捕されたのは、東京都目黒区に住む税理士の井口千春容疑者(39)です。
井口容疑者は、知人の女ら2人がうその個人事業主を装っていると知りながら、架空の確定申告書などを作り、持続化給付金100万円をだまし取ったとして詐欺の疑いが持たれています。
出典:千葉テレビ放送
この事件ですでに逮捕起訴され、判決が出ていた女ら2人の証言などから、井口容疑者の関与が明らかになりました。
容疑者の経歴
2016年10月 税理士登録
持続化給付金200万円を騙し取った東京都の36歳税理士の男を逮捕(2022/7/25)
事件の概要
新型コロナウイルスの影響を受けた事業者に国が給付する持続化給付金200万円をだまし取ったとして、東京都の税理士の男が、宮城県警に逮捕されました。
出典:tbc東北放送
詐欺の疑いで逮捕されたのは、東京都三鷹市の税理士、西村侯政容疑者(36)です。
警察によりますと、西村容疑者は、おととし8月、共犯者と共謀し、中小企業庁の持続化給付金の申請用ホームページにうその事業内容などを入力し200万円の給付金を共犯者名義の口座に振り込ませてだまし取った疑いがもたれています。
西村容疑者は、すでに逮捕されている共犯者の一人と知り合いで、給付金の申請に必要な書類の作成を頼まれて犯行に加わったということです。
容疑者の経歴
2010年9月 税理士法人山田&パートナーズ入社
2012年11月 税理士登録
この二人に共通するもの
まず、この二人は年齢が若いということです。
年齢が30代の税理士は、業界のなかでも若手になります。
ちなみに20代は全体の約1%、30代は約10%だったと記憶しています。
詐欺といっても100万円、200万円ですので、税理士として将来にわたってこれから稼ぐ額を思えば、たかがしれています。
同じ税理士として、この程度の金額で詐欺行為を行うことは全く理解できないです。
それほどまでにお金の工面に苦しんでいたのでしょうか。
税理士登録して、それぞれ約5年、約10年ですので、全く仕事がなかったという程ではないと思いますが・・・。
二人に通底するものが何かないか・・・と探してみました。
二人とも堂々の研修時間ゼロ!!
税理士は年間36時間の研修受講義務が課されています。
罰則が無いとはいえ、0時間※はすごい開き直りです。
やはり二人ともコンプライアンス意識は薄いようです。
決められた規則ですので、全く従う様子がないのですから、職業倫理の欠片もないです。
※「税理士情報検索サイト」の「公開情報」の「研修の受講時間及び研修の受講義務の免除に関する記録(前年度分)」から知ることができます。